有機肥料は化学肥料と違ってたくさん施肥しないといけないので、身近でなるべく安く手に入るものが使いやすいです。
有機質資材について
高山農園で主に使っている資材を紹介します。
米ぬか
お米の精米工程で排出される米ぬかです。捨ててしまうのはもったいないのでこの米ぬかに他のいろいろな資材を混ぜて肥料を作ります。ミネラルが豊富なので食味向上の追肥に使いたいところなのですが、肥効が”ゆっくり長く”なのでちょっと考えて使わないと逆に食味が下がってしまいます。
チッソ成分はだいたい2%ぐらいですが、米ぬか除草などで大量に使用するとけっこうなチッソ量になります。
油かす
”油分”というのは米ぬかに比べると発酵しやすい(腐りやすい)ので、割と早く効果がでてきます。また、窒素成分がたくさん(5%~)含まれているので主に基肥として使用しています。
おから
大豆由来の食物繊維(炭水化物)たっぷりの資材です。水分を多く含んでいるので、腐敗しやすく扱いが難しいですが低コストで利用できるのが良い点です。堆肥を作る時の水分補給にぴったりです。
クズ大豆
大豆を粗く砕いたものです。タンパク質を多く含んでいるので、窒素成分も高めです。大豆を生産している農家さんが近くにあると手に入りやすいです。
カニ殻
カニ殻を粉砕したものです。キチン質を豊富に含み、土壌微生物の有用菌(主に放線菌)を増殖させるのに役立ちます。放線菌は天然由来の農薬(殺菌作用)を生成するといわれています。
グアノ
海鳥・魚の糞や死骸、サンゴなどが化石化したもので、リン酸と石灰が多く含まれています。食味向上のための追肥に使っています。
貝化石
貝殻が長期間にわたって堆積し、化石化したものです。ケイ酸やミネラルが多く含まれています。稲はケイ酸植物といわれるくらいたくさん吸収するので、大量の貝化石を散布します。分解されるまでに時間がかかるので秋肥として使用しています。
くん炭
籾すりで出た籾を炭化させたものです。小さい穴のたくさん開いたケイ酸の固形物のようなもので、土壌の通気性を良くしてくれたり、微生物の棲みかになったりします。生の有機物質は微生物に分解されないと肥料としての効果を発揮しないので、微生物を増やすというのも大切な作業です。毎年1反当り700~800Lぐらい散布します。