稲作は「昨年の稲刈り後」からはじまって、「本年の稲刈り」で終わります。この1年のうち、イネが田んぼに植えられているのは4ヶ月ほどですが、それ以外の8ヶ月がとても大切です。
稲刈りの終わった田んぼに米ぬかや貝化石、くん炭を散布します。いわゆる”秋肥”や”秋処理”とよばれるもので、稲ワラを分解したり田んぼの微生物の栄養になったりします。
”稲にとっての田んぼ”は私たちの胃や腸と同じで、分解しにくい稲ワラが田んぼに残ってしまうと春先にガスが湧く原因になってしまいます。食物繊維の多いサツマイモを食べるとおならが出やすくなるのと同じで、田んぼからブクブクと臭い泡がでてきます。
まだ暖かいうちに微生物の食べ物になる米ぬかなどを散布することで、固い繊維質の稲ワラも一緒に食べてもらいます。そうすることで、春には稲の栄養になるくらいまで細かく分解されます。
稲ワラもそのままにしておけば邪魔なゴミですが、きちんと処理してあげれば稲にとって大切なエネルギー源になります。稲から稲への循環が大切だと思います。
昨年の秋に作った大量の燻炭も散布します。田んぼは真っ黒。
炭なのでほとんど栄養素はありませんが、微生物の住み処になります。田んぼの浄化作用にも寄与するのではないでしょうか。これを散布するようになってから、稲の天敵のイモチ病による被害がほとんど無くなりました。
アゼ塗り。これから田んぼに水を張るので、堤防の役割をするアゼ(畔)をきれいに補修します。
この時期はまだまだすることがいっぱいで忙しいです。