冬の田んぼの様子

冬の間の田んぼの管理は大きく2つの方法があります。

1つは、田んぼはなるべく乾かして稲ワラや残った肥料分を分解させ、田んぼの中を健康に保つ方法です。もう一つの方法は、水を張って水中微生物の活動を促し、その活動によって有機物の分解を進める方法です。

「水を張る」のと「乾かす」のは一見全く違うことをやっていますが、目的は同じで「微生物による有機物の分解と土の活性化」です。違いは、「空気を好む菌を使う」か「空気を嫌う菌を使う」かの違いです。

田んぼにいる好気性菌(空気を好む)は有機物を分解させるのを得意としていますが、温度が高くないと活動が鈍いので、この時期はほぼ休眠状態です。納豆菌などが有名です。

田んぼの水の中にいる菌(乳酸菌など)は温度は低くても活動はしますが、稲わらなど硬いものを分解するのは苦手としています。もうちょっと暖かくならないと活動が鈍いです。

水を張った2つの田んぼがありますが、左右で水の色が違います。

左の濁っている方は無農薬栽培の田んぼで、右は農薬を使用する通常栽培(慣行栽培)の田んぼです。

左の無農薬栽培の方は微生物が活動することで絶えず水が濁っていますが、右はただ水を張っているだけのような感じがします。農薬の使用・不使用で、何も植えていない冬の寒い間でもこれだけの違いがあり、自然の土壌微生物の力(地力)の差を実感します。

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