種もみの準備

3月終盤。一年ぶりに使用する機械や備品がたくさんあるので、昨年片付けておいたものを取り出してくるのに時間がかかってだいぶん忙しくなってきました。それがひと段落したのでようやく種もみの準備に入ります。

種もみは購入したものを使っています。自家採種ということもできるのですが、何年も使いまわしていると他の品種の種と混じったり、交雑して品種の特性がぼやけてしまいます。F1種ではないですが、そんな感じです。

ちなみに稲の種もみは富山産が圧倒的に多いです。日本アルプスから吹き降ろす風の通り道で病害虫の被害が少ないため、良質のお米ができるということです。

粒ぞろいの良いきれいな籾です。自分たちで栽培している無農薬栽培の籾だと茶色かったり、スカスカでつぶれていたりと、こんなにきれいな籾にはなりません。

まず種もみの消毒から。種子には病原菌が付着している場合があるので、必ず消毒をしてから使用します。今回は慣行用の苗なので薬品を使って消毒します。薬液を水で希釈して種を漬けて完了。1日経ったら風乾して真水で浸水。

無農薬や減農薬栽培用の苗だと、”お湯に10分漬けては取り出し”をしないといけないので、その手間を考慮すると楽です。しかも温湯消毒と比べても圧倒的に苗の病気が少ないというかほぼ無いので、農業の世界でも科学技術の進歩は素晴らしいです。

ただ、農薬は使って栽培した農産物よりも、農薬を使う人が一番被害にあうので、あまり触りたくはないです。種を漬けるのに薬剤に手を入れるのですが、触れると手を洗っても臭いが取れません。

消毒が終わったら1週間ほど真水に漬けて種もみの中の玄米に十分に水を吸わせます。自分たちの地域は市の水道の他にポンプでくみ上げた地下水が利用できるので、それを使っています。田舎の家だと今でも地下水を使っているところはたくさんあります。地下水は一年を通して15度ぐらいの一定の温度なので、種を漬けるのには最適です。地下水は冬は温かく、夏は冷たい。これも自然を利用した栽培の1つです。

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