田んぼで使用する農薬

有機栽培以外の田んぼで使用している農薬についての説明です。

1つは水田内で使用する除草剤。2つの除草効果のある成分が入っていて、田植え時に1回だけ散布します。これをやるかやらないかで、以後の労力が半端なく違ってくるので、農薬不使用栽培以外の田んぼでは欠かせない薬です。どの農家さんでも慣行圃場で除草剤を使用しない人はまずいません。

もう1つは苗箱に散布する薬で、苗用の殺虫薬といもち病の予防効果がある薬です。

田植え後のまだ苗が柔らかい時期だと虫に根をかじられたり、葉をかじられてしまい真っ白になってしまうことがあります。植物にとって根は血管、葉は光合成で炭水化物(人間にとってのご飯)を作る器官なので、これが傷んでしまうと初期の生育に大きく響きます。

また、いもち病はイネにとって致命的な病気で、苗の段階から稲刈りまで一生涯ついて回ります。葉、茎、穂までありとあらゆる部分を枯らし、収穫が通常の5割以下と絶望的になります。収穫できても品質が異常に悪く、売り物にならないくらいです。地域性がある病気なのですが、その地域が高山農園の田んぼのある地域なので、どうしてもこれだけは予防として使っています。

高山農園で使用している農薬は基本的にこの2種類(農薬成分は4成分)だけです。他の農家さんだとその他に、種子の殺菌剤、複数の水田内除草剤、田んぼの周囲への除草剤、稲穂への殺虫剤などを散布することがあります。自分たちはそれらの薬をやらなくても他の方法で対応できるので、どうしても品質維持に必要な2つの農薬だけを使用しています。

使わなくても良いものはお金も労力もかかるし、散布する自分たちにも被害が出る場合があるので使わない。使う場合は医薬品と同じで用法用途容量を守る。これが農作物にとっても私たちにとっても大切だと思います。

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