種もみを水に浸けてから10日近く経ったので、芽出しの作業を行います。このまま水に浸けておけば自然と発芽するのですが、全ての種の発芽を揃えたいので、一晩で発芽させます。
芽が出る直前になると種もみも透明感が出てきてややふっくらしてきます。品種によって若干違いますが、だいたい積算温度で100度(平均水温10度で10日間)ぐらいでしょうか。
この状態の籾をぬるま湯(25度~30度ぐらい)に1晩浸けて、一気に発芽させます。コシヒカリなど発芽勢のある品種はあまり温度を上げ過ぎると芽が出すぎになるのでなるべく低温で行います。コシヒカリだとだいたい10時間前後で芽が出揃います。
これはハナエチゼンの種もみです。なかなか芽が出ない品種なので、時間をかけすぎてちょっとやりすぎてしまいました。この芽出しの時点から稲の生長度合いが決まるので、「どれだけの時間をかけてどれだけ芽が出たのか」というのはとても重要です。高温短時間で発芽させてしまうと伸び癖がつくのでコシヒカリだとアウトです。寒い時期のハナエチゼンの育苗ならこれくらいでも大丈夫だと思います。
種子からは根と芽が出ています。実は芽出しと言っても一番最初に出てくるのは「芽」ではなく「根」なので、「根出し」と言った方が正確かもしれません。芽まで出てしまうのはやりすぎですね。