おいしいお米作りには作業ごとにいろいろなコツがありますが、水のやり方にもポイントがあります。
田んぼの用水口です。パイプラインが完備されているので、バルブをひねれば水が出てきます。
夏でも水の取り合いにならななくて済むのと、家庭廃水や汚れた水が田んぼに入らないので、今ではなくてはならない設備です。
稲の株がある程度大きくなったら、田んぼの水を抜いて乾かし気味に水管理をします。田んぼなので収穫までずっと水を張りっぱなし、ということはありません。収穫前はとにかく田んぼを乾かしてコンバインが田んぼに入ってもスムーズに稲刈りができるぐらいにします。
稲の穂が出てからは、田んぼを乾かしながら水を適期入れてやり、ある程度水が土に浸透したら水を抜く、ということを繰り返します。
これがお米がおいしくなるポイントの1つで、丁寧に管理された田んぼだと写真のように、収穫後の籾の水分の分布がきれいな山形になります。こういった水分分布のお米は食味計で値を調べると良食味であることが多いです。
田んぼにずっと水を張りっぱなし、中干しをしない、乾かない田んぼなのに溝切りをしないといったことをしていると、写真のように「乾いている籾と水分が多い籾」が混ざったようなお米になりやすいです。こんな籾でも水分を15%以下にしないといけないので、乾燥させるのも一苦労です。
収穫前の稲は肥料を吸い過ぎるとお米がおいしくなくなるので、稲に余分な肥料を吸わせない水管理が大切です。