稲は基本的に一年で1回しか収穫ができません。機械や備品も1年に1シーズンしか使わないというものがたくさんあります。そのため、いつも作業の最初は機械を倉庫から取り出してきて整備することから始まります。
昨年の5月末に片付けた種もみ消毒用の機械と備品です。農業では年に数回しか使わないものが本当にたくさんあり、高山農園の稲作で使用する機械のリストを数えてみると、機械のアタッチメントなどを含めて約60ほどあります。ほとんど使わないけど無いと困るものばかりなので、本体費用だけでなく維持管理費などものすごいお金がかかります。
こちらは塩水選で使用する塩です。
塩水に種もみを入れて、沈んだものだけを栽培に使います。中身が詰まっていないスカスカのものや、小粒のものなどは浮くので取り除きます。
塩水選で使う塩水の比重はうるち米で1.13、もち米で1.08以上が良いらしく、比重計でなるべく正確になるようにしています。
私がいつも使っているのは比重ではなく重ボーメのメモリがついているものなので、ちょっと計算しないといけません。だいたい下記のようになります。
コシヒカリなどは重ボーメ度17、比重1.13~1.14ぐらいにして選別していますが、あきさかりは1.13だと比重が大きくほぼ沈んでしまうのでこういった品種は1.15ぐらいで選別しています。
比重 | 重ボーメ度 |
1.08 | 10.7 |
1.09 | 11.9 |
1.10 | 13.1 |
1.11 | 14.3 |
1.12 | 15.5 |
1.13 | 16.6 |
1.14 | 17.7 |
1.15 | 18.8 |
1.16 | 19.9 |
1.17 | 21.0 |
1.18 | 22.0 |
塩水選で使う塩の量は、水10Lに対してだいたい2.1kgぐらいでしょうか。調べてみると1.9kg~2.5kgと書いてあることがバラバラなので、正確に1.13に合わせようと思うと比重計が役に立ちます。
種もみの選別は育苗の一番最初の作業で、病気の予防や丈夫な苗作りには欠かせない大切な作業です。手を抜かずにしっかりとやります。