特別栽培米

農産物には”特別栽培農産物認証制度”というのがあり、節減対象の農薬と化学肥料の使用を50%以下で栽培した農産物に対して認証されます。これは生産者が勝手に謳ってよいものではなく、栽培前に認証をするそれぞれの県に申請をしないといけません。この申請が今年も4月から始まります。

特別栽培農産物の認証制度は「お米」の場合、

  • 同じ作物でも県ごとに基準が違います。
  • 同じ作物でも栽培方法ごとに基準が違います。
  • 同じ作物でも品種で基準が違います。

また、

  • 栽培期間中は昨年の稲刈り後から本年の稲刈りまでです。
  • 田植え前の種子~育苗の段階も栽培期間に入ります。

稲刈り直後から翌年の栽培は始まっているので、この段階で田んぼの周りに除草剤を散布したり、余った化学肥料を撒いてしまったらそれもカウントされます。そんな田んぼで翌年は”栽培期間中:農薬不使用、化学肥料不使用”というのは出来ないです。

意外と盲点なのが苗。育苗って結構手間がかかるので、苗を他所から買ってきて田んぼに植える人がいます。当然ながら田んぼに植える前も”栽培期間中”なので、使用した資材はカウントされます。種子の消毒、病気の予防薬、殺虫剤など苗の段階でもたくさん農薬は使用します。

直播用の鉄コーティングされた種子。種籾の周りに鉄粉がくっついたもので、水をかけると酸化するのでサビて茶色い色をしています。

また、同じ品種でも栽培方法で農薬使用の基準が異なります。上記写真は“直播”の田植え後の写真で、”直播”とは苗を植えるのではなく、種子を直接田んぼにまく植え方です。苗の生長が田んぼの中で行われるので、その期間分、苗を植えるよりも除草剤などを多く使用します。こういった栽培で”当たり前のように普通に使用する農薬使用量”が基準になります。

ちなみに福井県のコシヒカリだと、苗を植える場合は農薬10成分、直播だと農薬11成分が上限になります。特別栽培農産物って基準が微妙に異なるので、参考程度にと思った方が良いです。

 

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