10月も終わりになると稲がまだ植えられている田んぼというのはほぼ無くなります。何も植えられていない田んぼというのはさみしい感じがします。
稲刈り後の田んぼはだいたいこんな感じで、稲株と稲ワラがどっさり溜まっています。稲はものすごく腐りにくいので、このまま放っておいても春までほとんど分解されません。
私たちの食事で、ダイエットのために「食物繊維」を積極的に摂取するというのがあります。食物繊維は体内ではほとんど分解しないのでお腹は膨れますが、ほとんど栄養にならずに体外に排出されます。
稲ワラはその食物繊維そのもので、田んぼにとってものすごく邪魔になります。田んぼの外に出すというわけにもいかないので、とりあえずは田んぼの中にすき込むか、燃やします。田舎では田んぼに火をつけて野焼きをしても消防から怒られないので、けっこう燃やす人もいます。でも危ないです。
それか、微生物に働いてもらって分解を頑張ってもらうしかありません。有機栽培をやっている人はだいたい微生物処理がメインだと思います。
稲を刈った後の株から新しい葉や茎が出てきています。これを「ひこばえ」と言います。イネ科の植物は根と茎の付け根の部分が本体なので、ここが問題ないならいくらでも生長します。タケノコをいくら採取しても次から次と生えてくる竹(イネ科)と同じです。
元気な株は穂も付けます。でも玄米を充実させるほどの力はないので、中身はほとんどスカスカで詰まっていません。南の温暖な国ではこれを充実させて2番穂を収穫するところもあるみたいですが、日本では考えられないことです。